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サステナブルフードとは?注目される背景や種類、認証マークを紹介!

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地球環境と社会に優しい食の選択肢として、サステナブルフードが注目されています。

普段口にしている食品でも、「どのようなにして食卓まで届いているのか」「生産する過程ではどんな問題が起こっているのか」については、意外と知る機会が少ないものです。

この記事では、サステナブルフードが注目される背景にある問題と具体的なサステナブルフードの種類について解説しています。その他にも、サステナブルフードを見分けるための認証や、サステナブルフードに取り組む企業の事例についても紹介しています。

知ったその日の買い物から活かせることが沢山あるので、ぜひ最後まで読んでいって下さい。

この記事で分かること
  1. サステナブルフードとは何か
  2. サステナブルフードが注目される背景
  3. サステナブルフードにはどんな種類があるのか

サステナブルフードとは?

まず始めに、サステナブルフードに含まれる”サステナブル”が表す考え方や、サステナブルフードの定義について紹介します。

サステナブルとSDGsについて

サステナブルは、英語で「Sustainable」と書き、sustain(持続する)とable(〜できる)からなる言葉です。日本語に直訳すると「持続可能な」となります。

気候変動や様々な社会問題の解決が求められる中で、環境や社会への負荷が小さく、将来に渡って続けていけるようにする”という考え方を指して「サステナブル」という言葉が使われるようになり、近年注目されています。

SDGsは、国連が採択したサステナブルな社会を実現するために2030年までに達成すべき17の目標のことです。「誰一人取り残さない」という理念のもと、貧困や不平等など様々な社会問題と環境問題に対する目標を設定しています。

今回の記事のテーマであるサステナブルフードと関連が深い目標としては、下の6つが挙げられます。

  • 2番 飢餓を無くそう
  • 10番 人や国の不平等をなくそう
  • 12番 つくる責任つかう責任
  • 13番 気候変動に具体的な対策を
  • 14番 海の豊かさを守ろう
  • 15番 陸の豊かさを守ろう

サステナブルフードとは

サステナブルフードとは、こうしたサステナブルやSDGsを受け、環境や社会に配慮し持続可能な方法で生産、流通された食品のことを指します。

具体的には、環境破壊を引き起こさない方法で生産された農作物を使った商品や、生産過程で排出されるCO₂量を抑えた食品などがサステナブルフードに含まれています。サステナブルフードの種類については、2つ後の章でさらに詳しく紹介しています。

環境や社会に優しい、持続可能な食品がサステナブルフードなんだね

テラビット
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サステナブルフードが注目される背景【農業・食品業界の課題】

ここでは、サステナブルフードが注目される背景となる、農業や食品業界が抱える課題を4つ紹介します。関係の深いSDGsの目標ロゴも添えているのでぜひ参考にしてください。

課題①環境への負荷

現代の農産物や畜産物の生産では、大きく2つの環境負荷が指摘されています。

1つ目は、土壌や河川の汚染です。

効率的に、より多くの農作物を得るために過剰な肥料が使用されています。過剰な肥料は作物に全て吸収されず、土壌の汚染を引き起こしています。さらに、雨水に溶けだした肥料分が川に流れ、河川の水質汚染にも繋がっています。

2つ目は、畜産業での温室効果ガスの排出です。

畜産のサプライチェーンから排出されている温室効果ガスは、世界の温室効果ガス排出量の14.5%を占めています。温室効果ガスと聞くと製造業のイメージが強いですが、畜産業でも問題になっているのです。

主な原因は牛肉の生産によるもので、牛のゲップに含まれるメタンガスに温室効果があることが関係しています。発展途上国での経済成長にともなって、食肉の需要は増大すると言われており、意識的に肉の消費を抑えることが求められています。

普段何気なく食べているお肉だけど、気候変動への影響の問題があったんだね

テラビット
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課題②人口増加による食料不足

日本では人口減少が問題となっていますが、世界全体でみるとアジアやアフリカを中心に人口が増加しています。2022年に80億人を突破し、2037年には90億人に達するという予想もあります。

増える人口に対して、「十分に食料を供給することができない」という問題が出ているのです。

実際には、人口を十分にまかなうだけの穀物が生産されているのですが、穀物の多くが家畜の飼料としても使用されており、食用と飼料用の両方の需要を満たすことが難しくなっています。

世界全体で食料不足に陥らないためにも、対策を急がなきゃいけないね。

テラビット
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課題③食料生産の現場での低賃金労働、児童労働

途上国の農場では、低賃金労働や児童労働が行われているという問題があります。

この問題の背景には、先進国がカカオやコーヒーなどの農産物を生産者から不当に安く買っていることがあります。安く買われてしまうため、農場の経営者は十分な利益を得ることができず、結果として、経営を成り立たせるための低賃金労働や児童労働が行われています。

生産者から適切な価格で買い、途上国で農業を営む人々の生活を改善する必要があります。

安いチョコレートやコーヒーを買うことが、途上国での過酷な労働環境に繋がってしまっているんだね

テラビット
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課題④フードロス

本来食べられるはずの食品が捨てられてしまうフードロスも問題です。

農林水産省の報告によると、2020年の1年間における日本国内でのロス量は、522万トン(事業系:275万トン/家庭系:247万トン)となっています。これは、国民一人当たりに換算すると、毎日お茶碗1杯分(約113g)の食べ物が捨てられているという計算になります。

食料不足に苦しむ人がいる一方で、まだ食べられるはずの食品が大量に廃棄されてしまっているという現状があります。

次のところでは、これらの課題の解決策として注目されているサステナブルフードの種類について紹介するよ。

テラビット
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こちらの記事で詳しく解説しています。

サステナブルフードの種類

ここでは、具体的なサステナブルフードの種類について紹介します。ぜひ、普段の食事に取り入れてみたいと思えるものを見つけてください。

プラントベースフード

プラントベースフードとは、肉や卵など動物性原料の代わりに、植物由来の原料を使って作られた食品のことです。

大豆から作られた大豆ミートで作られたミートボールや、鶏卵を使わないスクランブルエッグの他にも、ミルクやバターなど植物由来の原料が使われたプラントベースフードには様々な種類があります。

環境への負荷が大きい畜産物の消費を減らして、プラントベースフードを食事に取り入れようという動きが増加しています。

サステナブルフードなだけでなく、美味しい商品がたくさんあるよ

テラビット
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培養肉

培養肉は、牛や鶏などの動物細胞を実験室で培養して作られる肉製品のことです。「畜産物の取りすぎが環境負荷になることはわかるけど、やっぱりお肉がたべたい!」という思いに応える商品になっています。

培養肉の生産は画期的な技術として注目され、多くのベンチャー企業も培養肉の開発に参入しています。新しい食品ということもあり、安全性の面でも議論がありますが、2020年に世界で初めてシンガポール政府が販売許可を出し、前進しています。

残念ながら、日本ではまだ正式に販売許可はでていないため、まだ一般では食べることができません。前向きな検討が進められているとのことで、培養肉は今後に期待がかかるサステナブルフードです。

新しい技術によって、サステナブルが実現されるのは嬉しいことだね!

テラビット
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昆虫食

実は、昆虫食もサステナブルフードとして注目されています。

昆虫は、畜産と比べ生産の環境負荷が大幅に少なくタンパク質も豊富に含んでいます。そのため、肉に代わるサステナブルなタンパク質源として注目されているのです。

そもそも虫を見るのも苦手なのに食べるなんて、、、」と思ってしまう方もいると思います。しかし、昆虫そのままの商品だけでなく、パウダーを混ぜて作られたチョコバーやクッキーなども開発されています。こういった商品では、ほとんど昆虫の味はせず、美味しく食べやすい形になっています。

昆虫食については、こちらの記事で詳しく解説しているよ。

テラビット
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フェアトレード商品

フェアトレードが守られた方法で生産されたフェアトレード商品もサステナブルフードの1つです。

FAIRTRADE JAPANによると、フェアトレードについて以下のように説明されています。

フェアトレードとは直訳すると「公平・公正な貿易」。つまり、開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す「貿易のしくみ」をいいます。

❝出典:FAIRTRADE JAPAN「フェアトレードミニ講座」

フェアトレードにより、生産者が十分な収入を得られることで、美味しく品質の良い商品を作り続けることができ、持続可能な取引のサイクルを作り出すことができます。取引のサイクルを続けるためには、消費者にフェアトレード商品が選んで貰えるということも大切です。

コーヒーやチョコレート、紅茶などでフェアトレードが導入されているので、ぜひ意識して買い物をしてみてください。

次のところでは、フェアトレード商品を示す認証マークも紹介しているよ。

テラビット
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フードロス削減商品

フードロス削減商品は、まだ食べられるのに廃棄する可能性のある商品を購入することで、フードロス削減に貢献するサステナブルフードです。

日本では、「3分の1ルール」と呼ばれる、賞味期限の最初の3分の1が過ぎる前に食品製造事業者などが小売事業者に納品するという慣習的なルールがあります。過ぎてしまうと納品できないため、”まだ食べられるのに廃棄されてしまう”食品が多く発生してしまっています。

近年では、この3分の1ルールに引っかかってしまった商品などフードロス削減商品を集めて販売するサービスが出てきており、サステナブルフードとして注目されています。

フードロス削減商品は、訳あり商品としてお得に販売されていることも多いよ!

テラビット
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こちらの記事で詳しく解説しています。

サステナブルフードを見分ける認証・マーク

買い物をするとき、沢山ある商品の中からどれがサステナブルフードかすぐに見分けるのは難しいことだと思います。ここでは、サステナブルフードを見分ける時に役に立つ3つの認証マークを紹介します。

有機JASマーク

※画像引用元:農林水産省「有機食品の検査認証制度」

1つ目は、有機JASマークです。

有機JASマークは、農薬や化学肥料をできるだけ使わず、自然界の力で生産された農産物や加工食品、畜産物等に付けられる認証マークです。マークの認証には基準があり、農産物の場合は、下のような条件をクリアしたものだけが認証されています。

  • 堆肥等による土づくりを行っている
  • 播種・植付け前2年以上(多年生作物の場合は収穫前3年以上)、原則として化学的肥料および農薬は使用しない
  • 遺伝子組換え種苗は使用しない
  • 周辺から使用禁止資材が飛来・流入しないように必要な措置を講じている

このマークが付いている商品は、過剰な農薬や肥料の使用を行っていないため、土壌や河川を汚染しないサステナブルな方法で生産されていると言えます。。

マークは、自然の恵みを表す太陽と雲と植物をイメージしているよ!

テラビット
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レインフォレストアライアンス認証

※画像引用元:RAINFOREST ALLIANCE

2つ目は、レインフォレストアライアンス認証です。

レインフォレストアライアンス認証は、持続可能性の3つの柱となる経済、環境、社会を支えるサステナブルな方法で生産された商品であることを示しています。

製品やその原材料が、下に示されたような基準について第三者機関が総合的に判断し、サステナブルな方法と認定された商品に貼られているマークです。

  • 生産のための農地拡大による森林破壊が行われていない
  • 温室効果ガスの排出を削減するような土地管理を行う
  • 児童労働や強制労働が無く、良好な労働環境である
  • 取引する農家の収入が保証されている

森林など自然環境だけでなく、農家や農場で働く人の社会環境にも良い商品が認証されているんだね

テラビット
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国際フェアトレード認証ラベル

※画像引用元:FAIRTRADE JAPAN「認証ラベルについて」

3つ目は、国際フェアトレード認証です。

国際フェアトレード認証は、社会的、環境的、経済的基準について定めた国際フェアトレード基準を満たしていることを示しています。原料が生産されてから、輸出入、加工、製造工程を経て商品が完成されるまでの各工程が検査され、認定されます。

フェアトレード商品を買うことで、不利な状況になりやすい開発途上国の農場主やそこで働いている人の環境を改善することに貢献することができます。

スーパーやコンビニのチョコレートにもこのマークが付いている商品があるよ。

テラビット
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サステナブルフードの具体的な事例を紹介

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ここでは、サステナブルフードに取り組む企業の事例を紹介します。

IKEA:様々なプラントベースフードを販売

IKEAでは、気候変動への影響を減らす選択肢を増やしたいという思いで、プラントベースフードの販売にも力を入れています。

植物由来の原料で作られたミートボールであるベジボールや、ベジドック植物由来のソフトクリームなどが販売されています。IKEA本社のあるスウェーデンでは、2025年までに以下の目標も立てられており、今後の商品拡大も期待できます。

  • スウェーデンレストランで提供される主要メニューの50%をプラントベースにする
  • スウェーデンフードマーケットで販売されるパッケージ入り食品の80%をプラントベースにする

スウェーデンはもちろん、日本でも食べられるから今度行ったときに食べてみよう!

テラビット
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TABETE:食品ロスを減らすフードシェアリングサービス

TABETEは、すべての「食べて」を食べ手につなぐという目標をかかげるフードシェアリングサービスです。まだ食べられるのに廃棄されそうな商品と利用者をアプリ上で繋げることでフードロスを削減する仕組みになっています。

パン・ケーキ店、ホテル、飲食店、スーパーなどが残ってしまった商品を出品します。利用者は、商品をアプリ上で選び、”レスキュー価格”と呼ばれる割引価格で購入し、お店に行って商品を受け取ります。お店側も廃棄する食品を減らすことができ、利用者もお得に購入できる双方お得なサービスです。

サステナブルなだけでなく、お得に楽しめるのが嬉しいね

テラビット
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こちらの記事で詳しく解説しています。

こちらの記事で詳しく解説しています。

こちらの記事で詳しく解説しています。

日清食品:東京大学と共同で培養ステーキ肉の開発を進める

日清食品では、サステナブルな食材として培養肉に注目し、東京大学と共同で研究開発に取り組んでいます。

これまで開発されてきた培養肉は、組織がしっかりしていないミンチ肉に限られていました。しかし、日清食品では、難しいとされる、「食感も楽しめる培養ステーキ肉の開発」を目標に掲げています。

日清食品と東京大学のチームは、世界で初めてサイコロ状の培養ステーキ肉を開発することに成功しました。2024年度中により大きな「培養ステーキ肉」に必要な基礎技術の確立を目指しているとのことで、研究は世界の最先端で前進を続けています。

培養ステーキ肉でできた料理を楽しめる日も近いのかもしれないね。

テラビット
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サステナブルフードのデメリット・注意すべきポイント

環境や社会に配慮してつくられたサステナブルフードですが、デメリットや注意すべき点もあります。ここでは、2つ紹介します。

価格が高い

サステナブルフードは、他の食品と比べて価格が高くなってしまうというデメリットがあります。

サステナブルな生産方法を行うためにもお金が必要になるため、コストが一般的な商品と比べ大きくなってしまうためです。また、まだまだサステナブルフードを買う人が少なく、需要の少なさから価格高くなっているということもあります。

一般的な商品に近い価格で販売されているサステナブルフードも増えてきていますが、毎日サステナブルフードを買おうとすると家計への負担になってしまうかもしれません。

一人一人が、できる範囲でサステナブルフードを選ぼう

テラビット
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栄養が偏らないように注意する必要も

サステナブルフードを選ぶ際には、栄養が偏らないように注意することも大切です。

プラントベースフードは、味や見た目は本物に近づいていますが、栄養素まではカバーしきれていません。植物由来の原料を使用しているため、動物性の食品に多く含まれる栄養素が不足してしまう可能性があります。

特に、タンパク質中の必須アミノ酸と呼ばれる栄養素は人間の体内でつくることができない重要な栄養素となっています。必須アミノ酸の量を示すアミノ酸スコアの高い商品を複数組み合わせてバランス良く摂取することが大切です

健康でいるために、サステナブルフードを選びつつ、栄養バランスにも気を使っていこう

テラビット
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まとめ

この記事では、地球環境と社会に優しい食の選択肢としてサステナブルフードを紹介しました。

サステナブルフードが注目される背景には、生産方法のために発生する環境への負荷や、不当な価格での取引による不平等といった現在の農業や食品業界が抱える問題があります。

植物由来のプラントベースフードや、最先端技術が詰まった培養肉、農産物の生産者に優しいフェアトレード商品など、サステナブルフードには様々な種類があります。企業の取り組みも広がっており、今後も商品の種類の拡大も見込まれています。

ぜひ、少しでもサステナブルフードがいいなと思った人は、少しずつでも普段の食事に取り入れてみてください!

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編集者・ライター
TERRARIUM編集部です。SDGsや環境に関連するコラムをお届けします。
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