ナリヒラダケ（業平竹）

ナリヒラダケ（Semiarundinaria fastuosa）は、日本をはじめとする東アジア地域に自生しています。　 高さは10mから15mに達し、節間が長く、直径は3cmから5cm程度です。葉は長さ10cmから20cm、幅1.5cmから3cmで、深緑色をしています。 また、節には白い粉をまとったような独特の模様があり、その美しい姿から庭園などの景観植物としても利用されていますが、根が広がりやすく、繁茂しすぎると周囲の植物に影響を与えることがあるため、適切な管理が必要です。 ナリヒラダケ（Semiarundinaria fastuosa）の起源は、日本の本州、四国、九州にあたる地域に遡ります。 日本の固有種であることから、その名前も日本語に由来しており、立派に成長した様子を表す、成り平という言葉を用い「成り平竹」と呼ばれています。 また、学名の「Semiarundinaria」は、半円形の節が特徴であることを意味し、「fastuosa」は「堂々とした」という意味があります。

ナリヒラダケ（Semiarundinaria fastuosa）の花言葉には、「堂々とした美しさ」や「威厳」、「気高さ」などが挙げられます。これらは、見た目や特徴から連想されるもので、自信に満ちた美しさや品格を持つことを意味し、その風格ある姿から尊敬や畏敬の念を抱かせることが多いです。 中でも、代表的な花言葉である「堂々とした美しさ」は、ナリヒラダケの直立した姿や美しい緑色の葉が、風に揺れる様子から来ていると考えられます。

ナリヒラダケ（Semiarundinaria fastuosa）は、湿度が高い環境を好むため、土壌の湿度を一定に保つことが大切です。また、水やりの際は、根元に直接水を与えるのではなく、鉢底から吸い上げるように水を与える方法をおすすめします。 成長期である春から夏にかけては、土壌が乾燥しないようにこまめに水を与えましょう。特に、新芽が出ている時期は、水分が十分に行き渡るよう、1日に1回程度の水やりを心がけます。 一方、秋から冬にかけては、頻度を減らし、土壌の表面が乾いたら水を与える程度に留めましょう。この時期の過湿は、根腐れの原因となるため、注意が必要です。

ナリヒラダケ（Semiarundinaria fastuosa）に適した土壌は、pHは5.5～6.5のやや酸性で、水はけの良い砂質や赤玉土が、根腐れを防ぐためにもおすすめです。 肥料に関しては、主に春から秋にかけて、月に1回、1株あたり50g程度の緩効性の化成肥料を与えることが望ましいでしょう。春の新芽が出る前、夏の成長期、秋は冬に備えて栄養を蓄えるために肥料を施します。 ただし、冬季は成長が鈍るため、根腐れを避けるためにも、与えすぎに注意が必要です。

ナリヒラダケの生育に適切な日照量は1日当たり4～6時間程度です。この植物は、半日陰から日向を好む植物であるため、日光の当たらない場所で育てると、成長が悪くなるだけでなく、葉の色も悪くなります。日照時間の管理には注意しておきましょう。 ただ逆に、日差しが強すぎると、葉焼けが起こりやすくなりますので、特に夏場は午後の直射日光を避けるようにしましょう。 鉢植えの場合、午前中か午後に日光が当たる、東向きもしくは西向きの窓辺に置くと良いでしょう。また、風通しの良い場所に置くことで、病気や害虫の発生を抑えることができます。 ナリヒラダケ（Semiarundinaria fastuosa）が健康に成長するために最適な栽培温度は、15℃から25℃が理想的です。 一方で、耐寒性が強いため、-15℃までの低温にも耐えられるほか、耐暑性もある程度あり、35℃までの高温にも適応できます。猛暑が続くようであれば、こまめに水を与えるようにして土壌を乾燥させないようにしましょう。 ナリヒラダケは、耐寒性が強く、日本の気候に適応しているため、夏越しや冬越しに特別な方法が必要ない丈夫な植物です。 夏場は水やりをこまめに行い、土が乾かないように管理しましょう。 冬越しの場合も、特別な対策は不要ですが、寒冷地での栽培や、特に厳しい冬が予想される場合は、株元にマルチングを施すことで、根元を保護し、寒さから守ることができます。

ナリヒラダケ（Semiarundinaria fastuosa）は、枯れた竹や病気にかかった竹を取り除きたい時や、他の植物や建物に影響を与える場合、形を整えたい場合に剪定が必要になることがあります。 不必要な部分を切り戻し、形を整えますが、その際は、竹の節の近くで切り落とすようにしましょう。 また、剪定や切り戻しは春から初夏にかけて行います。この時期に行うことで、新しい芽が出てくるのを促し、植物の成長を助けることができます。

ナリヒラダケ（Semiarundinaria fastuosa）の植え付けは、春から初夏にかけて行います。根が十分に広がるように、苗木と苗木の間は1メートル以上の間隔を空けて植えること、また、日当たりの良い場所を選ぶことで、より良い成長が期待できます。 根が鉢いっぱいに広がった時や、根詰まりが起こっている場合には植え替えを行います。根を傷つけないように注意し、新しい鉢に移す前に、古い土を根から取り除くようにしましょう。 また、通常、竹は3-5年で成熟し、収穫が可能となります。収穫時には、竹の根元から切り取り、乾燥させた後で使用します。

ナリヒラダケ（Semiarundinaria fastuosa）は、根茎から新たな芽が出て増える性質を持っているため、繫殖方法として株分けが最適です。 春から初夏にかけての根茎が伸びる時期を狙って、株の周りを十分に掘り起こし、根茎を含む部分を切り取りましょう。切り取った部分には、2～3本の節が含まれるようにし、根が十分にあることを確認したら、切り取った部分を新しい場所に移植します。 そのほか、挿し木は発根が難しく、葉挿しも竹類の特性上成功率が低いとされているため、ナリヒラダケの繁殖方法としては適していません。

ナリヒラダケ（Semiarundinaria fastuosa）は、いくつかの病害虫に悩まされることがあります。 主な病気には、葉が枯れたり、茎が黒く変色したりすることが特徴の竹枯病や、葉に黒い斑点が現れ、重度の場合は葉が枯れてしまう黒斑病が挙げられます。このような病気を防ぐためには、適切な水やりや施肥、適度な日光を確保することが重要です。 また、害虫としては、アブラムシやカイガラムシに気をつけなければなりません。アブラムシは、葉の裏側に集まって吸汁するため、葉がしわになったり、黄色く変色したりすることがあります。カイガラムシは、茎や葉に付着し、樹液を吸い取りながら、カビの発生の原因となる蜜露を分泌します。 これらの害虫対策としては、定期的な観察と早期対処が大切です。見つかった場合は、手で取り除いたり、適切な農薬を使用して駆除することが効果的でしょう。

ナリヒラダケ（Semiarundinaria fastuosa）は、人体への毒性が報告されていない植物です。また、健康への特筆すべき良い影響も特定されていません。 薬用植物等として育てられるのではなく、観賞用で育てられています。そのため、摂取するのではなく、景観を美しくするために生育を行いましょう。

ナリヒラダケ（Semiarundinaria fastuosa）は、犬や猫に対して毒性があるという報告はなく、悪影響があるとは考えにくいですが、念のためペットが触れない場所に植えることをおすすめします。 植物全般に言える事ですが、ペットを飼っている場合は、容易にペットがアクセスできないような場所で育てる事が大切になってきます。