サワグルミ(Pterocarya rhoifolia)は、主に日本、中国、朝鮮半島などの東アジアに分布している植物です。日本では、本州、四国、九州の各地に自生しています。特に山間部の渓流沿いや河川敷に多く見られ、環境改善に役立つ植物として、植栽や緑化に利用されることもあります。 樹高は20m~30mに達し、幹の直径は1mほどに成長します。葉は羽状複葉で、長さは30cm~60cm程度で、対生する小葉は9~25枚あり、縁に鋸歯があるのが特徴です。 花期は5月~6月で、雄花序は長さ20cm~30cmの尾状花序を下垂させ、雌花序は長さ10cm~15cmの円錐花序を垂れ下がらせます。 また、果実は翼果で、長さは4cm~6cm、幅は1cm~1.5cmで、9月~10月に熟すと黄褐色になり、風によって遠くまで飛ばされることがあります。食用には適していませんが、油を抽出することができ、この油は、石鹸や塗料、燃料などの原料として利用されてきました。 そのほか、木材として家具や建築材料に使われることもありますが、一般的にはあまり利用されていません。 サワグルミ(Pterocarya rhoifolia)の起源は東アジアにあります。日本の固有種ではなく、中国や朝鮮半島にも分布していることから、その起源はこれらの地域にも関連していると考えられます。 学名「Pterocarya rhoifolia」は、ギリシャ語の「pteron(翼)」と「karya(クルミ)」、および「rhoifolius(イチイ葉)」に由来しています。これは、サワグルミの果実が翼状になっていることと、葉がイチイに似ていることに基づいて名付けられました。
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