パセリ

パセリ(学名「Petroselinum crispum」)の名前の由来は、ギリシャ語の「petros」（岩）と「selinon」（セリ）から来ており、岩場に生えるセリを意味しています。原産地は地中海沿岸で、古代ローマ時代から栽培されていました。 日当たりと水はけの良い場所を好み、比較的育てやすい植物です。 料理の香味野菜やガーニッシュとして使われることが多く、ビタミンCや鉄分が豊富で、健康に良い植物として知られています。 種類は、主に「モシャパセリ」と「イタリアンパセリ」の2種類で、モシャパセリは葉がクリンクリとしており、イタリアンパセリは葉が平らで、風味が強いです。 葉の長さが5cmから10cm程度のクリンクリとした緑色の葉で、夏に黄色の花を咲かせます。その大きさは、高さが30cmから1mです。 実は、小さくて茶色で、種子として利用されます。

パセリ(学名Petroselinum crispum)は5月の誕生花として知られており、「楽しみ」「健康」「エネルギー」などの花言葉を持ちます。 その中でも、ビタミンCや鉄分を豊富に含み、健康に良いとされることからつけられた「健康」が代表的な花言葉です。

パセリは、日本では春から初夏にかけて種をまき、翌年の春から初夏にかけて開花する植物です。 二年草で、初年度は葉を、二年目には花をつけます。 パセリは寒さに強いので、冬季でも霜が降らない地域で栽培できますが、開花させるためには一定期間の低温期間が必要です。 開花期間は短く、一度咲いた花はすぐに種になるので、長く花を楽しむために、数週間おきに種をまくことをおすすめします。

パセリは、適度な湿度を好む植物なので、土壌が乾いたら水を与えることが大切です。水やりは、根元に水が溜まらないように注意しながら鉢の底から流れ出るくらいたっぷりと行うようにしましょう。 乾燥しやすい夏場は、1日に1回、朝か夕方にたっぷりと水やりしてください。 冬季は乾燥を避けつつ、過湿を防ぐために水やりは控えめに、土壌が乾いたら2~3日に1回程度にしましょう。

パセリは、pHが6.0から7.0で、水はけが良く、やや酸性の土壌が理想的です。 用土は、排水性が良く、パセリの根の成長を助ける腐葉土や赤玉土を混ぜたものが適しています。 この植物は、肥料に対して敏感なので、適度な量の肥料を与えることが大切です。特に、葉の成長が促進される窒素を多く含むものを適度に与えると良いでしょう。 肥料は、春と秋の2回、植え付けから1ヶ月後と3ヶ月後に与えると良いですが、量は過剰にならないよう気を付けてください。

パセリは、日当たりの良い場所を好む植物ですが、半日陰でも栽培することはできます。この植物は、直射日光が強すぎると葉が焼けてしまうので気を付けましょう。 夏季の高温は、生育が停滞し種子をつけるようになるため、30℃以上の高温は避けるべきです。そのため、夏越しは日陰で涼しい場所に移動させることをおすすめします。 最適な日光時間は、1日あたり6時間以上とされていますが、強い日差しを避けるため、午前中の日光を浴びることが理想的です。 また、耐寒性があり、冬季でも霜が降りるような低温に耐えることはできますが、最適な気温は15℃から25℃とされています。 冬季は霜よけの対策が必要ですが、耐寒性があるため特別な冬越しの方法は必要ありません。ただし、霜が降りるような場合は、霜よけネットをかけるなどの対策を行うと良いでしょう。

パセリは、新たな葉の成長を促進し、収穫量を増やすため剪定や切り戻しを行います。最適な剪定時期は、新芽が伸び始めた春から夏にかけてです。 まず、株の中心部から伸びている主茎を中心に、外側に向かって伸びている枝を切り戻してください。その際、切り口は茎の基部から2～3cmの位置で、斜めに切るのがポイントです。 剪定後は、日光を確保し、適度な水分と肥料を与えると良いでしょう。剪定した葉は料理に利用することをおすすめします。

パセリは、鉢植えでも地植えでも栽培することができますが、鉢植えの方が管理がしやすいと言えます。 鉢植えする場合は、排水性のよい土にパセリの種をまいてください。種まき後は、土が乾いたら適度に水を与え、日光が直接当たらない場所で管理しましょう。 根が鉢からはみ出してきたら植え替えしてください。新しい鉢に、排水性の良い土を用意し、根を傷つけないように注意しながら植え替えます。 寄せ植えする場合は、同じように排水性の良い土に、他の植物との間隔を空けて植えてください。

パセリの増やし方は、種まきが一般的です。理由は、簡単で、大量に増やすことができるためです。ただし、パセリの種は発芽率が低いため、多めに種をまくことをおすすめします。 種を直接土にまき、水分を保ちつつ日光を適度に当ててください。芽が出るまでに2週間程度かかります。 また、パセリは2年草で、1年目に葉を、2年目に花と種をつけるため、収穫は1年目の葉が最も美味しいとされています。 挿し木や株分けは、パセリの繁殖にはあまり適していません。理由は、パセリが根元から新たな芽を出す性質が弱いためです。

パセリは、根から感染し全体が枯れる原因となる立枯病や、葉に黒い斑点が出現し、最終的には枯れてしまう黒斑病に感染しやすい植物です。 これらの病害虫を防ぐためには、日当たりを確保し、適切な水やりと適度な湿度を保つことが大切です。害虫が見つかった場合は早めに駆除し、病気の初期症状が見つかったら薬剤を使用することをおすすめします。 また、葉を食べたり、吸汁したりして植物にダメージを与えるアブラムシやアザミウマなどの害虫にも気を付けてください。