シクラメン

シクラメンは、その美しい花と豊富な色彩から観賞用として人気です。品種改良が進んでおり、花の形・色・大きさなど、さまざまなバリエーションが存在します。 シクラメンの原産地は地中海東部地域で、学名Cyclamen persicumの「Cyclamen 」は球根の形状から「円」に由来しています。 シクラメンは花びらは5枚で、反り返った形状が特徴的です。花の色が豊富で、白・ピンク・赤・紫など様々な色があります。また、花の形状から「恋人の心を引き寄せる」という花言葉があります。 シクラメンはふつう10～30cm程度の大きさで室内での鉢植えに適し、冬に開花することが多いので冬の花として親しまれています。 育てる上での注意点としては、高温多湿を避けること、冬季は冷暗所で管理することが重要です。また、水やりは土の表面が乾いたら行い、過湿に注意してください。

日本では「シクラメン」の花言葉は、シクラメンの花の形状が下向きに咲くことから連想される「慎み深さ」「控えめな愛情」などとされ、自己主張を控えめにして他人を尊重する心を象徴しています。 また、1月31日の誕生花です。 風水ではシクラメンは家庭内の調和を保つとされ、リビングや玄関に置くと良いとされています。

シクラメンは、日本では秋から冬にかけて開花し、特に11月から2月が見頃になります。 花を長く咲かせるためのコツは、適度な水やりと冷涼な環境を保つことです。特に冬の乾燥に注意して湿度を保ち、気温は15℃以下を好むため暖房の効いた室内よりも、冷暗所で育てると良いでしょう。 春に種を蒔くと、開花までに約8ヶ月から1年ほどかかり秋には花を楽しめます。開花のサイクルは1年に1回で、花期は数ヶ月間続きます。

シクラメンは水やりを適切に行うことが成長に大きく影響します。また、シクラメンは湿度を好むため、乾燥が気になる場合は葉に霧吹きで水を与えると効果的ですが、花に水がかからないよう注意が必要です。 休眠期の春から夏にかけては、水やりは控えめにし土が乾いたら少量を与える程度にしましょう。 成長期である秋から冬にかけては、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。ただし、根腐れを防ぐために鉢底から水が流れ出るまで与え、余分な水は必ず捨ててください。

シクラメンの栽培に適する用土は腐葉土や赤玉土を混ぜたもので、土壌pHは5.5～6.5の酸性から中性の土壌が理想的です。 肥料については、夏季は休眠期なので不要です。 成長期には窒素・リン酸・カリウムをバランスよく含んだ液体肥料を週1回与えますが、花が咲き始めたら肥料の量を半分に減らし、花が終わったら肥料を止めます。

シクラメンは日当たりの良い場所を好み、1日あたり4～6時間程度の日照時間が理想的です。日照時間が少なすぎると花付きが悪くなるため、適度な日当たりに気を付けてください。ただし、夏場の強い日差しは葉焼けを引き起こす可能性があるので、直射日光は避けるべきです。 シクラメンは冷涼な環境を好み、最適な気温は15～20℃とされています。冬季でも5℃以上を保つことが重要で、霜や凍結には弱いです。 一方、夏季は高温に弱く、30℃以上の環境ではストレスを感じ成長が停滞します。夏越しは涼しい室内で行うか、日陰に移動させてください。

シクラメンは剪定や切り戻しは不要ですが、花が終わった後の枯れた花茎や葉を取り除くと健康維持に効果的です。 春から初夏にかけて、花が終わった後、傷口が感染しないよう清潔な鋏を使って枯れた部分を切り取ります。 切り取った後は、水やりを控えめにしてください。

シクラメンは地植えには向かず鉢植えが最適で、冬季の寒さに弱いため室内での管理をおすすめします。 寄せ植えは、シクラメンと同じく冬に花を咲かせるパンジーやビオラなど相性の良い植物と一緒に植えると見栄えが良くなります。 植え付けは、鉢の底に水はけの良い用土を敷いた後、球根上部が土面より少し高くなるように調整して球根を置き、周囲を用土で覆います。 植え替えは、花が終わった春に行いますが、古い土を取り除いて新しい用土で鉢を満たし球根を植えてください。

シクラメンの繁殖方法は種まきと株分けが主流です。なかでも株分けは、種まきに比べて時間がかからず挿し木や葉挿しよりも成功率が高いので、最適な方法といえます。 株分けは、春から初夏にかけて、株を掘り上げてから健康な小球根を分けて植える方法です。 種まきは、春に種子を蒔き湿度を保つためにビニールで覆うと、3ヶ月程度で発芽します。 挿し木や葉挿しは難易度が高く、成功率も低いのでおすすめしません。

シクラメンがかかりやすいのは、特に過湿や高温多湿が原因で発生する根腐れ病や灰色かび病です。 根腐れ病は根が腐ってしまう病気で、過剰な水やりが原因なので、水やりは土の表面が乾いたら行い、鉢底から水が出る程度に抑えましょう。 灰色かび病は葉や花に灰色のカビが発生する病気で、高温多湿が原因なので、風通しを良くして湿度を下げることで予防できます。 また、アブラムシやハダニは、シクラメンの葉脈に吸い付き葉色が悪くなるなどの被害をもたらす害虫です。害虫が見つかった場合は、早めに薬剤を使用して駆除しましょう。