キタヤマオウレンは、北海道や本州の高山地帯を原産地とする日本固有の植物です。学名はCoptis kitayamensisで、和名のキタヤマオウレンは北山黄連の意味があります。 この植物は一年生の草本で、高さは10から30センチ程度に成長します。根は細長くて房状に分かれ、地下茎が発達しています。茎は直立し、葉は3出羽状複葉になっていて、裂片はざらついた鋸歯があります。 花期は夏から秋にかけてで、茎の先端に径1センチほどの小さな白色の5弁花をつけます。花の中心には黄色の雄蕊が目立ちます。果実は袋果で、中に黒い種子が入っています。 キタヤマオウレンは、高山の岩場や砂礫地に生育するのが特徴です。低温と強い日射に耐えられる構造を持っていて、栄養分や水分が乏しい環境に適応しています。 また、全草に含まれるイソキノリンアルカロイドによる苦味があるため、漢方薬の生薬として利用されています。優れた解熱効果があるとされ、傷薬や胃腸薬として用いられます。 キタヤマオウレンは、日本の高山植物の中でも非常に美しい花をつけることで知られています。高山の景観を彩る存在として、多くの人に親しまれている貴重な植物といえます。
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