ヤマアワ（山粟）

ヤマアワはヨーロッパからアジアにかけて広く分布しています。 ヤマアワは、山地や草地など様々な環境に適応できる生命力の高い植物です。 とても育てやすい植物ですので土壌改良や緑化に利用されていますが、逆にその強い生命力から侵略的な外来種として問題になることもあります。 ヤマアワにはほかに以下のような特徴があります。 ・形状 成長すると高さが１メートル以上にもなります。 葉は緑色で細長く、茎の先端には穂がつきます。 その穂は初めは緑色ですが、成熟すると黄色に変わります。 そして、その穂の部分にとても小さな花をつけますが、とても小さいため一見すると草木のように見えます。 ・種子 風によって広範囲に飛び、さまざまな地域で生育していきます。

ヤマアワが花を咲かせるまでに必要な時間は、種をまいてから約１年ほどで、開花時期は主に夏から秋にかけてです。 特に7～9月が見頃です。 花期には美しい花穂が花開きますが、花を長く楽しむためには適度な水と日光が必要です。 また、枯れた花穂を取り除くと次の花が咲きやすくなります。

ヤマアワは湿度が高い場所を好みますので、土壌が乾かないように水やりをすることが大切です。 特に夏は土壌からの水分の蒸発が激しいので、１日１回、朝か夕方にたっぷりと水をあげましょう。 逆に冬季は２～３日に１回の水やりで問題ありません。 ただ、土壌が乾燥していたら頻度にこだわらず水をあげてください。 水をあげる際は、根元に直接水をかけるのではなく、鉢底から吸い上げるようにすると根腐れを予防することができます。

ヤマアワを育てる際には、最適な土壌と適量の肥料が必要です。 ・土壌 ヤマアワは環境に対する適応力が高く、さまざまな土壌で育ちますが、特に砂質土壌や粘土質土壌などの湿った土壌を好みます。 また、土壌のpHは中性からやや酸性が適しています。 ・肥料 春と秋に与えます。 特に春には成長を促すために窒素を多めに含む肥料を与え、秋には根の成長を促すためにリン酸を多めに含む肥料を与えましょう。

ヤマアワは日当たりの良い場所を好み、日照量が多いほど健康に成長します。 １日当たりの最適な日照時間は、約6～8時間です。これ以上日光に当てると逆に成長に悪影響を及ぼす可能性がありますので注意してください。 強い日差しにも耐えられますので、直射日光に当てても問題ありません。 ただ、高すぎる気温はあまり得意ではありませんので、真夏は直射日光を避け、風通しの良い半日陰に置くと良いでしょう。 ヤマアワは寒さにも強い植物ですが、霜や雪には弱いので霜や雪が降るほど寒い日は屋内に移動させてください。

ヤマアワは特に剪定や切り戻しを必要としません。 ただ、伸びすぎたり形を整えたりしたい場合は剪定や切り戻しを行いましょう。 ・時期 最適な時期は春から初夏にかけてで、新芽が出る前に行います。 剪定をする際は枝の基部を、切り戻しをする際は枝の基部をそれぞれ切ります。 ・剪定後 乾燥を防ぐために剪定面を保護します。 また、剪定後によりよく成長するために、適度に水と肥料を与えましょう。

ヤマアワは自然の中では草地や山地などの広い場所に根を張るため、地植えのほうが向いていますが、鉢植えで育てることもできます。 鉢植えをする際は、以下を参考にしてください。 ・植え付け 深さのある鉢の底に石を敷き、良質な培養土を入れます。 その上に種子をまいて軽く土で覆い、水を適量与えます。 ・植え替え 根が鉢いっぱいに広がったり、成長が止まったりしたときに植え替えをしましょう。 古い鉢から丁寧に値を傷つけにように取り出し、石を敷いて新しい培養土を入れた鉢に植え替えます。 ・寄せ植え 寄せ植えにも適していますが、他の植物との成長スピードや大きさのバランスを考慮する必要があります。

ヤマアワを増やす方法は、種まきと株分けが主流です。 いずれの方法にもそれぞれメリットがありますので、適した方法を選んで増やしましょう。 ・種まき 春になったら種をまき、適度な湿度と温度を保って育てます。 種まきは手間がかかりますが、多くの新しい個体を得ることができます。 ・株分け 春または秋に行い、株を２つ以上に分けてそれぞれを植え付けます。 株分けは手軽に増やすことができますが、一度に増やせる数が限られます。 種まきと株分け、どちらでもヤマアワを増やすことはできますが、大量に増やしたい時は種まきで、少量でいい場合は株分けで、と用途や目的に合わせて選ぶと良いでしょう。