ヌマダイコン(Adenostemma lavenia)は、日本をはじめとする東アジアやオセアニア地域に分布しています。日本では、主に湿地や河川敷、湖畔などの湿った環境で見られることが多いキク科の多年草です。ヌマダイコンは、その生育環境や形態的特徴から、湿地や河川敷の生態系において重要な役割を果たしています。 高さは30-100cm程度で、茎は直立し、分枝がよくあります。葉は対生し、長さ5-15cm、幅2-5cmの卵形で、縁には鋸歯があるのが特徴です。また、葉の表面には粗い毛が生えており、触るとざらついた感触があります。 花期は夏から秋にかけてで、頭状花序を形成し、径1-1.5cmの白い花を咲かせ、花の中心部には筒状花があり、周囲に舌状花が並んでいます。果実は痩果で、長さ約3mmの細長い形状をしており、風によって散布されることが多いです。 ヌマダイコンは、南アメリカを中心に分布している植物で、その起源は南アメリカ大陸にあります。南アメリカから世界各地に広がり、熱帯や亜熱帯地域に自生しています。 また、日本では比較的新しい外来種として知られている植物です。主に沖縄県や九州地方の湿地に生育していますが、その分布が拡大していることが報告されています。 ヌマダイコンの名前は、湿地に生育することから「沼大根」という意味がありますが、実際には大根とは関係がありません。また、学名の「Adenostemma lavenia」は、ギリシャ語の「aden(腺)」と「stemma(冠)」から来ており、花の形状に由来しています。
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