ベニバナツメクサ(Trifolium incarnatum)は、ヨーロッパを中心に西アジアや地中海沿岸地域に自生している植物で、その起源は地中海沿岸地域にあります。古くからヨーロッパで栽培されており、その歴史は古代ローマ時代にまで遡ることができます。 特徴的な赤い鮮やかな花に由来して、英名では「Crimson Clover」とも呼ばれています。また、学名の「Trifolium incarnatum」は、ラテン語で「肉のような三つ葉」という意味で、その形状や色合いから名付けられました。 日本に渡来したのは江戸時代で、花を染料として利用することもあったとされています。 ベニバナツメクサ(Trifolium incarnatum)は、主に日本の関東地方から九州地方にかけて分布しています。 この植物は、高さは30-60cmになり、茎は直立しています。葉は3小葉からなる複葉で、小葉は卵形から楕円形をしており、先端が尖っているのが特徴です。 花が咲く時期は5月から7月で、大きさは1-1.5cm程度です。鮮やかな赤色の花が、総状花序に密集して咲きます。 種子は、果実が熟すと裂開し、周囲に飛散します。繁殖力が強く、広範囲に分布することが可能です。 ベニバナツメクサは、日当たりの良い草地や道端などに育ち、耐寒性があるほか、乾燥にも強い植物です。また、窒素固定能力があるため、土壌改良にも役立ちます。 観賞用だけでなく、牧草や緑肥作物としても利用されているほか、蜜源植物としても重要で、蜜蜂やチョウなどの昆虫が集まります。
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