ウルシ(Toxicodendron vernicifluum)は、日本をはじめとする東アジア地域に自生しています。高さ10m以上に成長し、灰褐色で縦に裂ける樹皮が特徴で、葉は奇数羽状複葉、3-13枚の小葉が対生し、先端が尖っています。また、春から夏にかけて黄緑色の小さな花を咲かせ、秋には球状の果実ができます。 さらに、最も重要な特徴として、皮膚にかぶれや炎症を引き起こす可能性がある、ウルシオールという有毒成分が、樹皮や葉、果実に含まれています。 木材は、家具や建築材料として使われるほか、漆器や日本画の材料として利用するため、優れた耐水性や耐久性を持ち、乾燥すると硬くて光沢のある表面になる漆(ウルシの樹液)を採取するための栽培もされています。 ウルシ(Toxicodendron vernicifluum)の起源は、約6,000年前の新石器時代に遡るとされており、その当時から日本列島に自生していたと考えられています。 また、学名は、ギリシャ語の「toxikon」(毒)と「dendron」(木)、ラテン語の「vernicifluum」(漆を流す)から成り立っており、毒性を持つ漆の木という意味を込め、18世紀のスウェーデンの植物学者カール・リンネによって命名されました。
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