クラマゴケ(Selaginella remotifolia)は、主に東アジアの日本、中国、台湾、韓国などに分布し、日本では、本州、四国、九州の山地や森林の湿った場所に生育しています。シダ植物門に属する植物で、 その美しい姿から観賞用としても利用されることがあります。 クラマゴケは小型で繁茂する常緑の多年草で、茎は細くて長く分枝して密に広がります。葉は小さく、鱗片状で密に並んでおり、茎と葉の形状が特徴的です。また、葉の表面には光沢があり、美しい緑色をしています。 クラマゴケは、シダ植物の中でも特に古い系統に属し、独自の生殖構造を持っています。胞子嚢(ほうしのう)と呼ばれる器官で胞子を形成し、胞子を介して繁殖を行います。胞子嚢は、葉の裏側に集まっており、胞子の形状や大きさによって雌雄が区別されます。 クラマゴケの学名である「Selaginella remotifolia」は、ラテン語で「遠くに葉があるセラギネラ」という意味で、クラマゴケ特徴を表しています。 クラマゴケの起源は非常に古く、古生代デボン紀(約4億年前)にまでさかのぼるとされています。また、クラマゴケはシダ植物の中でも原始的な特徴を持っており、その進化の過程を知る上で重要な植物とされています。 なお、日本語名の「クラマゴケ」は、その生育環境である「暗い場所」を意味する「暗間」と、苔類に似た姿から「苔」を組み合わせた言葉であるとされています。
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