イヌカタヒバ(Selaginella moellendorffii)は、日本をはじめとする東アジア地域に分布しています。地表に這いつくように生育し、葉は小さくて細かい鱗片状をしており、緑色から黄緑色を呈しているのが特徴です。 イヌカタヒバは、湿った環境を好むため、森林の下層や湿地、河川敷などの湿潤な場所に生育しています。 特徴的な形態や繁殖方法から、植物分類学や進化生物学の研究対象としても注目されており、その美しい姿から、観賞用としても栽培されることがあります。 イヌカタヒバの起源は中国南部とされます。多様な植物相が豊富に存在しているこの地域だからこそ、イヌカタヒバも独自の進化を遂げられたと考えられています。 19世紀後半に、中国南部で多くの植物を収集していたドイツの植物学者モエレンドルフ(Moellendorff)にちなんで、イヌカタヒバの学名である「Selaginella moellendorffii」という名が付けられました。 日本語名の「イヌカタヒバ」は、葉の形状が犬の肩膀(かたひば)に似ていることから名付けられたとされています。また、イヌカタヒバは日本では比較的珍しい植物であり、主に温室栽培されていることが多いです。
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