イヌドクサは、クサヨシやヒメツリガネニンジンなどとも呼ばれる水生植物です。節の多い細長い茎と細かい葉をもち、日本各地の湿地や水辺に自生しています。 イヌドクサの特徴は、20~100センチほどに伸びる細長い茎が数多くの節とともに密集して生えることです。節からは針金のような葉が多数出て茎を覆い、先端には季節ごとに緑色の小さな花穂をつけます。 イヌドクサは、シダ植物門に属する古代から存在する植物です。乾燥に強く、水辺の環境の変化を知る指標として利用されています。 茎にはリグニンと呼ばれる木質化した組織が発達しているのが特徴で、これが乾燥に強い理由の一つです。 イヌドクサは日本各地のほか、北半球の温帯から熱帯にかけて広く分布しています。水が豊富な土壌であれば、日当たりの良い湿地や水辺などで容易に観察することができます。 イヌドクサの実や種子は小さいため、風や水流に乗って分散します。種子から発芽した個体は雌雄同株で、花穂に形成された胞子と花粉が受精することで繁殖します。 イヌドクサは観賞用に利用されることもありますが、水辺の環境を保全する上で重要な役割を果たす植物です。生育環境を保護することが、イヌドクサの保護にもつながります。
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