イチョウシダは、自生力が強く岩の隙間や城壁、賑やかな街中の煉瓦などでも生育できるシダ植物で、昔から親しまれています。 小さな羽状の葉を密生させる姿が特徴的で、葉の色は黒っぽい緑色のものが多いのですが、品種改良されたものには黄緑色や赤紫色の葉をつける個体も存在します。イチョウシダは花を咲かせることはなく、胞子で増えるシダ植物なのですが、胞子嚢の形状が特徴的で、二酸化ケイ素で出来た特殊な膜で覆われており、分類学上重要な意味を持っています。 生育環境は多様で、自然界では主にヨーロッパからアジアにかけての温帯域に分布しています。日本では、本州中部以南のある程度湿度が高い岩場で見ることができます。岩や古い建造物に着生している様は風情があり、庭園や室内栽培にも向いた観賞植物として古くから愛好されていたようです。
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