都会のオアシスとして親しまれる「長居植物園様」にインタビュー

長居パークセンター 瀬川様
admin

長居植物園は、1974年に開園され2024年には50年を迎える歴史ある植物園です。大阪市内に位置しているのが特徴の1つで、緑あふれる自然豊かな都会のオアシスとして親しまれています。

今回は、そんな長居植物園にオンラインインタビューを実施しました。取材を受けてくださったのは、イベント運営などの広報関係のお仕事を担当されている「瀬川様」です。

長居植物園の特徴や他植物園との違いを教えて下さい。

瀬川様:一番の特徴は「アクセスの良さ」です。大阪市南部ですが、御堂筋沿線ですので、梅田や難波など大阪の中心部より乗り継ぎなくお越しいただくことが出来ます。

TERRARIUM編集部:地図で見させていただいたのですが、長居駅のすぐそばに位置しているので、駅に到着してからも徒歩ですぐに行けそうですよね。

瀬川様:そうですね。大きい公園の中にある植物ですので、植物園の中に入るためには入園料が必要になるんですけども、公園・植物園合わせて毎日お散歩で来てくださる方もいらっしゃいます。

TERRARIUM編集部:それこそ年間パスポートなどを購入されて頻度高く来られる方もいらっしゃるのでしょうか?

瀬川様:毎日のように来られる方は、やはり年間パスポートをお持ちのケースがすごく多いですね。最近では、年間パスポートを購入されてお子様と一緒にお散歩がてら来てくださるファミリー層の方々も多くなっています。

TERRARIUM編集部:大阪市内にあって広々とした場所にもなりますので、お子様とのお出かけにもちょうど良さそうですね。

瀬川様:そうですね!公園と違う点として、自転車の通行であったり球技が植物園の中では基本的に禁止になりますので、小さなお子様連れの保護者の方も安心して過ごせるのかと思います。

長居植物園に訪れる方々はどのような年齢層が多いのでしょうか?

瀬川様:大阪市内在住の65歳以上の方が無料で入園できるため、シニア世代が多かったんですけども、ここ数年は若い年齢層やファミリー層の割合も増えてきています。

TERRARIUM編集部:無料で足の運びやすい場所に位置しているとなると、65歳以上の方々は多くなりそうですね。

瀬川様:あとは季節によって入園者の層が変わるというのもあります。直近ですと、4月にネモフィラの花畑が見頃になりますので、若い女性の方やカップルでお越しくださる方が多くなります。その後、バラ、アジサイ、ひまわりと続き、その時期も若い年齢層の方に人気があります。

TERRARIUM編集部:花が咲いて写真が綺麗に取れる時期になると、若い年齢層も増えそうなイメージはあります。ひまわり畑などを背景にした写真なども撮影される方は多いですよね。

瀬川様:そうですね。インスタ映えなどもありますし、SNSの効果も大きくなっています。お花畑をバックにお写真を撮りたいとなったときに、車でしか行けないことがネックになることも多いのですが、大阪市内にあってアクセスしやすいことも若い年齢層の方が訪れやすい理由かなと思います。

TERRARIUM編集部:若い年齢層の方ですと車を持っていない方も多いと思いますし、電車で気軽に足を運べるのは大きそうですね。入園料が200円と安いことも訪れやすい理由の1つかなと思いました!

長居植物園で見られる植物の特徴や珍しい植物などはありますか?

瀬川様:規模でいうとアジサイが大阪市内で最も多く、アジサイ園には1万株植栽されています。アジサイ園は山奥の谷をイメージしたものになっておりまして、大阪市内とは思えないような感覚になられるかと思います。ここ数年ではあるんですけども、アジサイのイメージも定着してきており、アジサイの時期は、当園に来たいとのお声もいただくようになっています。

TERRARIUM編集部:確かに大阪市内でアジサイを一面に見られるとなると、珍しさに気を引かれる点もありそうです。

瀬川様:珍しい植物ですと、秋になるときれいなピンク色になるふわふわしたイネ科の植物のカピラリスがあります。面積も広く、これもSNS映えするような写真が撮影できるかと思います。

TERRARIUM編集部:イネ科ですと、勝手に緑や茶色のイメージがあったりするのですが 、ピンク色にふわふわとなるイネ科の植物もあるんですね。

瀬川様:大阪でこの規模でカピラリスを植えているのは当園が初めてなのではないかなと、自己分析しています。今年はテレビでも取材に来ていただきまして、カピラリスという名前は覚えにくいのですが、ピンク色のふわふわということは、衝撃もあったからか印象を持ってもらっていました。

TERRARIUM編集部:ピンクのふわふわというのは印象に残りそうですね!一点気になっていたところで、珍しい植物として、「ねじれる植物」というものもあるのでしょうか?

瀬川様:シャクヤク園にあるシダレエンジュが、夏はきれいな緑色の葉っぱと白いお花なんですけども、落葉した後、枝のうねうねが見られるため、冬に樹形のお写真を撮っていただいたら面白いものになるかと思います。

TERRARIUM編集部:冬の落葉した時期限定で見られるものになるんですね!夏はきれいなお花が見れますが、冬の時期であっても「ねじれる植物」のような珍しいものが見れるのは良いですね。

夜の時間にチームラボという形で開園されだしたのは近年だったのでしょうか?

瀬川様:チームラボは2022年の7月末にオープンしました。夜の植物園を楽しんで頂くために、チームラボの展示の一会場になっています。

TERRARIUM編集部:日中植物園として入れる箇所が、夜になるとチームラボという形でライトアップされたりするのでしょうか?

瀬川様:そうですね!お昼は全面に入っていただけるんですけども、夜はエリアを区切っている形になります。お昼もチームラボの展示である卵型のオブジェであったりというのは並べてあるため、お昼の時間帯の景色として楽しめると思います。

TERRARIUM編集部:同じ景色を見ても、日中と夜間では、また違った印象がありそうですね!チームラボは全国各地や世界にも展開されていて大きな会社のイメージがありますし、植物園がチームラボになるとは思いもしないような気がします!どちらかというと室内のイメージも強かったです。

瀬川様:おっしゃるとおり屋外で開催しているという点も魅力の1つになるかと思います。

TERRARIUM編集部:やはり夜もチームラボという形で開園するようになってから、入園者数も増えたのでしょうか?

瀬川様:運営が異なるため、入園者数のカウントは別になるんですけども、2022年度の入園者は、日中の植物園が70万人超え、夜のチームラボが30万人超えで、施設としては年間100万人が訪れています。

イベントや講習会なども実施されていますが、子どもたちに向けたイベントなどもあるのでしょうか?

瀬川様:夏休みや春休みなど、長期休暇の期間は、お子様も楽しんでもらえるようなイベントやワークショップをしているのですが、これからより充実させていきたいと思っているところです。

TERRARIUM編集部:親子揃って参加できるようなイベントがあれば、子供を連れていきたいともなりそうですよね。

瀬川様:そうですね!やはり参加型のイベントというのは、お子様も参加したいと思いますし、保護者の方々も参加させてあげたいという思いを感じますね。夏休みであれば自由研究などにも繋がるかなと思います。

TERRARIUM編集部:親子揃って参加できるようなイベントがあれば、子供を連れていきたいともなりそうですよね。園内でボランティア活動がされている様子などもお見受けしたのですが、そういった活動も行われているのでしょうか?

瀬川様:ボランティアさんは当園に登録して活動されている方がたくさんいらっしゃいます。大きな作業ですとお花畑に植え付けするときに手伝っていただいたりしています。週1回活動いいただいていますので、植え付け以外ですと、除草の作業だったりをしていただいています。

TERRARIUM編集部:実際にボランティアに来られる方は、植物に興味がある方も多かったりするのでしょうか?

瀬川様:スタートとしてご家庭でされていて、もうちょっと知識を付けたいという方でボランティアに来られるケースも多いですね!

長居植物園様の緑の相談所では一般の方が無料でご相談できるのでしょうか?

瀬川様:お電話でも窓口でも無料でどなたでもご相談いただけます。ささいなご質問でしたら「これは何の植物?」といったものから、「育てている植物が枯れてしまったのですが~」「どの肥料を使ったら良いですか?」というご相談をいただくことがあります。

TERRARIUM編集部:いろいろなケースがあって、インターネットで調べても出てこないことがありますし、育てるうえで悩むことはたくさん出てきそうですもんね。

瀬川様:購入されるときは、お店の方に聞けるのですが、その後のお手入れで迷われる方も多いですので、そういった方が利用されることも多いです。植物園にご来園いただいた帰りに寄っていかれる方もいらっしゃいますし、ご相談がしたくて来られる方もいらっしゃいます。

長居植物園様のこれからについてお伺いできますでしょうか?

瀬川様:ちょうど2024年の4月に50周年を迎えますので、これからの運営にはさらに力を入れていかないといけないと思っています。生物多様性などの観点からも、他の園さんでも取り組みが充実してきているところではありますので、負けないように取り組みも増やしていこうと考えています!

「長居植物園」の基本情報

所在地〒546-0034
大阪市東住吉区長居公園1-23
電話番号06-6696-7117
営業時間[3月~10月] 9:30~17:00(入園は16:30まで)
[11月~2月] 9:30~16:30(入園は16:00まで)
休園日毎週月曜日(祝日の場合はその翌平日)
年末年始(12月28日~1月4日)
入園料
(植物園)
200円
※中学生以下、大阪市在住の65歳以上の方、障がい者手帳をお持ちの方とその介助者は無料
※年間パスポートは1,000円
※団体割引:30人以上(1割引) 50人以上(2割引) 100人以上(3割引)
公式HPhttps://botanical-garden.nagai-park.jp/
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